中国人訪日客の「心」をつかむマーケティング戦略とは?

1)中国からの訪日旅行客の現況

 

 

日本政府観光局(JNTO)の統計データによると、2017年2月の訪日外国人客203万6千人のうち、中国からの来訪者は50.9万人とおよそ1/4という大きな比率を占め、韓国に次ぐ2番目の数となっています。中国人旅行客にとって、日本旅行の人気ルートが、東京・箱根・富士山・名古屋・京都・大阪という日本の人気5都市を周遊するコースで「ゴールデンルート」とも呼ばれています。およそ5日〜10日程度の旅程で、関西から関東に向かう逆のルートもあります。このゴールデンルートは、日本の大都会、自然、そして歴史を体感、日本の「おいしいところ」を満喫できる人気の高いポピュラーなルートです。
ただし、このルートは一回目の訪日の場合が多く、二回目以降は訪問先のポイントを絞って、別のスタイルの旅行を楽しみたいと感じっているケースが多いようです。


2)「モノ」より「コト」へ!訪日二回目以降は体験的旅行スタイルを熱望!

 

 

訪日中国人旅行客の「モノ」より「コト」への体験意向は、次のデータから明らかに汲み取れます。


(参照:観光庁ホームページより)

 

今回「ショッピング」をした人は、66.3%
しかし、次回したいこととして「ショッピング」を挙げた人は、31.8%と半分以下。

 
逆に、今回「自然体験ツアー・農漁村体験」をした人は、6.4%

「四季の体感(花見・紅葉・雪など)」は5.7%

「日本の歴史・伝統文化体験」は12.4%

「日本の生活文化体験」は9.6%と少数派。

 

ところが、次回したいことでは

「自然体験ツアー・農漁村体験」21.8%

「四季の体感(花見・紅葉・雪など)」34.1%

「日本の歴史・伝統文化体験」22.4%

「日本の生活文化体験」26.5%

とそれぞれ2~6倍の体験意向を示しています。

 

 
このことから、一度日本に来て「爆買い」した中国人は、その後の再訪でショッピングを楽しむとは限らず、体験することができなかった、日本ならではのアクティヴィティーを楽しみたいという意向を持つ人が多いということです。

 

 

すでに、中国人の「爆買い」をあてにした観光ビジネスモデルは終焉を迎えつつあり、むしろ本来の観光の基本形である、地域固有の自然や文化を体験・堪能できる観光モデルを推進していくことが、リピーターを呼べるサステイナブルなインバウンド政策につながると考えられます。

中国のSNS投稿データを嗜好別に分析したデータからも、「買う」に関する投稿はわずか2%なのに対し、「体験する」は33%、「食べる」が17%、「見る」は「買う」の約25倍の49%。想像以上に訪日中国人観光客の「コト消費化」が進んでいることがわかります。

 

 
3)中国のSNS事情 2大SNS「微博(Weibo/ウェイボー)」と「微信(WeChat/ウェイシン)」とは?
  微博(Weibo)で情報収集!微信(WeChat)でコミュニケーション

 

 

中国のインターネット環境は独特です。政府の検閲により、世界中で利用されているソーシャルメディア(フェイスブック、ツイッター、YouTube、ラインなど)へのアクセスができません。そこで、中国で利用されている独自のSNSを利用することで、日本からでも中国国内への情報提供や公式アカウントの取得、投稿/拡散が可能になります。今、中国では「微博(Weibo/ウェイボー)」と「微信(WeChat/ウェイシン)」というSNSが中国の2大SNSと言われています。この二つのSNSサービスをご紹介します。

 

◆微博(Weibo/ウェイボー)とは?=中国版 FaceBook、Twitter
Weiboとは、「微」=「ミニ」「博」=「ブログ」(微博)という意味で、中国語圏最大のソーシャルメディア。中国本土のみならず、香港、台湾やその他多くの在中国人のいる国で幅広く利用されています。

 
一言で言えばFacebookとTwitterの両方の機能を足したような機能を持つSNS。投稿文は中国語で140文字で、絵文字、画像、動画などの投稿が可能で、投稿に対してユーザー同士でシェアー、コメント、いいね、ブックマークなどが利用できます。
ユーザーはWeiboで投稿して情報発信し、そして最新情報を求め、企業の情報をフォローし、他のユーザーの口コミ情報を検索して参考にしながら情報収集に利用します。日本の情報もWeiboを利用して訪日前に得ることで、訪日の際の行動を決める傾向が強いと言えます。

 

1対多数ーメディア性の強いSNS オープンネットワークなので拡散力が高い

 


4)微信(WeChat/ウェイシン)=中国版LINEとは?

 

WeChatは、スマートフォンに特化したプライベートなコミュニケーションサービスで、チャット機能のほかにフォロワーに対しメッセージ配信もできるLINEに似たSNSです。また、「モーメンツ」というFacebookのニュースフィードのような機能やシェア機能で情報の拡散も可能です。また、「WeChat Payment」という4億人が利用している決済機能も提供されています。
WeChatは、友人同士など、親しい関係間のコミュニケーションツールとして情報を共有し合う比較的クローズドなサービスのため、情報の信頼度が高いことが特徴となっています。


参照:Weiboオフィシャルサイトより

1対1ーCRM性の強いSNS クローズトネットワークなので、友だちのみ拡散される
月間アクティブユーザー 7.6億(公式アカウント開設時、中国法人不要)

 

 

5)中国で人気の商品は口コミから!
2大SNS「微博(Weibo)」と「微信(WeChat)」活用のポイントは?

 

訪日中国人旅行客は、事前に何を買うかチェックしてやってくる人が多く、その情報源になっているのがネット上の口コミ。とくに微博(ウェイボー)には、数々の日本の商品の情報が出ています。例えば、化粧品を例にみていきましょう。

 

日本からある女性が微博に情報発信を続けていて、大勢の中国のフォロワーがこれらの情報から、若い女性が化粧品を買う際の参考にしているケースがあります。中国における化粧品関連商品の人気は高く、2015年の中国の化粧品小売り取引規模は4843.9億元で、2018年までに8000億元を超えると予測されています。
iResearch社の「2015年中国女性デジタルファッションユーザー白書-ビューティーコスメ篇」では、購買を刺激する要素としては友人の勧めがもっとも多く6割を超え、化粧品購買に対する口コミ要素の強さを証明しています。

 

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